読み方 |
「
千里遠客と作 ( な ) り、五更故郷を思う。寒鴉 ( あ ) 数声起り、窓外月霜の如 ( ごと ) し。
―
沈 ( しん ) 受宏作、客暁
― 」 |
通釈 | はるばると旅に出れば、夜明け方になると夢もさめ故郷のことが思われてならない。冬のからすがさびしげに三、四回なくのが聞こえ、窓の外は霜がおりたかと疑われるほど月光が白い。 |
語釈 | 沈受宏 ( 中国清代の詩人 ) 客暁 ( 旅先での夜明け時 ) 五更 ( 更とは一夜を五つに分けた時間の単位。五更は午前三時より午前五時まで ) 寒鴉 ( 冬のさびしげなからす )
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【講評】 結構・線質ともに申し分の無い首席作品です。