読み方 洲辺の菰蒲 ( こほ ) は荒れ、緑水に双鷺 ( ろ ) を見る。日暮には魚を窺 ( うかが ) うを罷 ( や ) めて、分明に江樹に入りぬ。                                     ― 宇野醴泉作、白鷺 ―
通釈
川のなかすのあたりには、まこもやがまが生えて荒れはてており、青々とした川の流れには、二羽のさぎの立っているのが見える。さて夕暮になると、さぎは魚をねらっていたのをやめて、はっきりと川ばたの木の間に、飛んではいって行った。
語釈
宇野醴泉 (1722〜1779  江戸中期の儒者 ) 白鷺 ( しらさぎ ) 洲 ( なかす ) 菰蒲 ( まこもとがま。どちらも水草 )  窺 ( ねらうこと )

【講評】 結構が大変整い、筆触も非常に優れた作品。