読み方
道に漁父の来るに逢 ( あ ) う。指点す舟を停 ( とど ) むるの処 ( ところ ) 。只 ( ただ ) 小橋の辺りに在り。風吹いて渓樹に著 ( つ ) く。                           ― 黄景仁作、渡を問う ―
通釈
道で年老いたりょうしに行きあったので、渡し場をたずねたら、舟をとめてある場所を指さして教えてくれた。なんと渡し場は小さな橋のたもとにあって、風が谷の木々にそよそよと吹いていた。
語釈
黄景仁 ( 中国清代の詩人 ) 渡 ( 渡し場 ) 漁父 ( 老漁夫。父は老人の称 ) 指点 ( ゆびさして示し教えること ) 著 ( ふれること )

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