読み方
雲勢峰を移りて緩やかに、泉声竹を出 ( い ) でて遅し。此 ( こ ) の時 ( とき ) 限り無きの意、唯 ( ただ ) 翆禽 ( すいきん ) の知るあるのみ。          ― 邵雍 ( しょうよう ) 作、福昌県にて雨に会う ―
通釈
雲がゆっくりと峰から峰移る。竹林をもれる泉の音ものんびりとしている。この時の言いつくせない気分は、あのかわせみだけが知っている。
語釈
邵雍 (1011 ― 1077  中国宋代の道学者 易に精通した ) 泉声 ( 泉の流れる音 ) 翆禽 ( かわせみ )

【講評】 習練の跡の窺える見事な首席作品です。