読み方
早く起きて日の出 ( い ) づるを見、暮れに棲 ( せい ) 鳥の還 ( かえ ) るを見る。客心自 ( おのずか ) ら酸楚 ( そ ) 、況 ( いわん ) や木瓜 ( ぼっか ) 山に対するをや。                                  ― 李白作、木瓜山を望む ―
通釈
朝早く起きて日の出を見、日の暮れにねぐらにいそぐ鳥のかえってゆくのを見る。旅先にあるわたしの心は、しぜんとすっぱく悲しくなっている。ましてや、すっぱい味を連想させる木瓜山を前にしては、なおさらのことだ。
語釈
李白 (701〜762  中国盛唐の大詩人 ) 木瓜山 ( 中国中部にある山で、李白がよく遊んだところ。 )  木瓜 ( ばら科の落葉低木。和名ぼけ。その実は形が小瓜のようで、味は酸味を帯びている。 ) 酸楚 ( すっぱくもの悲しいこと )

【講評】 =結構も良く、線質も適当な卓抜した作品です。