読み方
柳巷 ( こう ) 還 ( また ) 絮 ( じょ ) を飛ばす。春余幾許 ( いくばく ) の時ぞ。吏人事を報ずるを休 ( や ) めよ。公春を送るの詩を作る。   ― 韓愈 ( かんゆ ) 作、柳巷 ―
通釈
柳巷の柳も、はや綿を飛ばしている。春もあますところ幾時もない。役人たちよ、しばらく事務の報告をさしひかえてくれよ。私はいま過ぎ去ろうとする春を送る詩を作っているのだから。
語釈
韓愈 (768〜824  中国中唐の詩人・役人 ) 柳巷 ( 村里の名 ) 絮 ( 柳のわた。晩春のころ柳の実が熟して、綿のような種を飛ばす ) 吏人 ( 役人 ) 公 ( 韓愈が部下の役人に対して自ら称す )

【講評】 結構整斉・筆力勁健な間然する所の無い作品。