読み方
客心日月を争う。来往預 ( あらかじ ) め程を期す。秋風相待たず。先ず洛陽城に至る。
                            ― 張説作、蜀 ( しょく ) 道にて期に後 ( おく ) る ―
通釈
旅の心は一日でも早く家に帰ろうと急いでいる。前もって往復の日程は決めておいたのだが、思わぬことで旅がおくれてしまって、秋風の方が一足先に洛陽城に入ってしまった。秋までには洛陽に帰ろうと思ったが、あてがはずれてしまった。
語釈
張説 (667 - 730 。中国盛唐の詩人・役人 ) 蜀道 ( 蜀の国に通じる危険な道 ) 来往 ( 往復のこと )

【講評】 結構整斉、筆力勁健な素晴らしい作品です。