読み方
君は我が巷 ( こう ) の東に居り、我が家の樹を望見す。三日春雨深し。相思う落花の暮。                     ― 呉錫麒 ( しゃくき ) 作、舒 ( じょ ) 古廉に簡す ―
通釈
君は我が町の東の方に住んでいて、我が家の植木をながめられるほどの近くにおられる。
ところが三日間も春雨が降りつづいて、ふだんの行き来もとだえると、この花散る夕べには、何となく心さびく、しきりに君のことが思われてならない。
語釈
呉錫麒 (1746 ― 1818  中国清代の詩人。わが国の明治の漢詩壇に多くの影響を与えた。 ) 舒古廉 ( 作者の友人 ) 簡 ( 手紙。手紙を各戸と ) 巷 ( 町。ちまた )

【講評】 結構が整い、線質の優れた卓抜した作品です。