読み方
君 ( きみ ) 故郷自 ( よ ) り来 ( きた ) る。応 ( まさ ) に故郷の事を知るべし。来日綺窓 ( きそう ) の前。寒梅花を著 ( つ ) けしや未 ( いま ) だしや。        ― 王維作、雑詩 ―
通釈
あなたは私の故郷から来られたので、きっと故郷の事を知っていることでしょう。ご出発の日、美しいカーテンのある窓の前にある寒梅は、もう花をつけていたでしょうか、まだだったでしょうか。
語釈
王維 (699 ― 759 中国盛唐の詩人・役人。山水画に巧みで、南画の始祖と仰がれている。 ) 雑詩 ( 定まった題のない詩 ) 綺窓 ( カーテンのかかった窓。綺は、あや織り模様のある絹 ) 寒梅 ( 寒中に咲く梅。早咲きの梅 )

【講評】 書品を備えた申し分の無い首席作品です。