「 藤村詩抄 落葉松(からまつ)の樹 」




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落葉松の樹はありとても

石楠花の花さくとても

故郷遠き草枕 思はなにか慰まむ

旅寝は胸も痛むばかり

沈む憂は醉ふがごと

獨りぬる夜の夢にのみ

ただ夢にのみ山路を下る