「 臨高台送黎拾遺 」


橘 桂雪




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臨高台送黎拾遺 ( 臨高台 ( りんこうだい ) 黎 ( れい ) 拾遺 ( じゅうい ) を送る )


相送りて高台に 臨 ( のぞ ) めば 川原 ( せんげん ) 沓 ( よう ) として何ぞ極まらん
日暮 飛鳥還るも 行人は 去 ( ゆ ) いて 息 ( や ) まず

君の門出を見送って、高い台の上に立てば、河の両岸にひろがる原野ははるかに尽きるところも見わかぬほど。
日暮れ時、飛ぶ鳥はねぐらへと帰るのに、旅ゆく人、君は、とどまることもなしに遠ざかって行く。